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2003年3月13日 01:07 AM 更新
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CeBIT
NECがPDA型W-CDMA端末を展示、欧州のW-CDMAも秒読みへ
延期が相次いでいた欧州のW-CDMAサービスに、明るい兆しが見えてきた。CeBIT会場でNECはハチソン向けのW-CDMA端末2機種を展示。欧州での3Gスタートに期待を寄せていた
欧州でもW-CDMAサービスのスタートが秒読みに入ってきたようだ。CeBITではNECが同社ブースで、欧州Hutchison(ハチソン)向けのW-CDMA端末を展示していた。
展示したのは、テレビ電話機能付きの「e606」とPDA型の「e808」。両端末ともイギリスとイタリアで3Gサービスを開始予定の通信オペレータ、ハチソンに提供を予定している。NECによると、両端末は完全な製品版であり、最初の欧州向けW-CDMA端末になる見込みだという。
欧州では、免許は取得したものの、各オペレータは3G(W-CDMA)推進で足踏みしてきた。GSMを発展させたパケット通信方式GPRSがやっと普及してきたが、続いてW-CDMAに進むのではなく、GPRSの発展形であるEDGEを展開する動きもある。
メディアの論調も去年まではネガティブなものが多かった。しかし、「イギリスとイタリアでW-CDMAのショールームをオープンし、現物を見せるとガラッと論調が変わった」(NECヨーロッパでコーポレート・コミュニケーションマネージャーを務める吉田一弥氏)。音声中心だった欧州の携帯電話も、iモードのスタートなどでデータ通信に関心が向きつつある。その中で、データ通信に有利な3Gが注目を集め始めたという。
NTTドコモはハチソン3GUKの株式を20%取得しており、W-CDMAサービススタート後、FOMAの国際ローミング先としても期待されている。
ビジネスユースに焦点を当てた、e808
e606は、NECがJ-フォン向けに提供している「V-N701」とよく似た端末。W-CDMAのほかGSMに対応し、Bluetoothを内蔵している。Java機能のほかテレビ電話、MPEG-4動画やWMA音楽ファイルの再生をサポートする。価格は約400ポンド(約8万円)程度になる見込みだ。
e808は、ビジネスユースをターゲットとしたPDA型端末。QWERTY配列のキーボードと、132×162ピクセル(3インチ程度)の大型ディスプレイを備える。背面と表面に2つのカメラを搭載し、テレビ電話や静止画の撮影が可能。機能的にはe606に近く、大きな違いはキーボードが付いている点になる。
PDA型──ということで、Pocket PCやSymbian OSなどのフル機能OSの搭載を期待してしまうが、e808のOSは独自のもの。メニューなどを見た限りでは、e606とほぼ同じだった。価格はe606よりも多少高くなる見込みだ。
e808を開いたところ(左)と閉じたところ(右)。サイズは105.5×80×28.5ミリで、重さは193-200グラム(カラーによって異なる)。普通のPDAのサイズだ
しかし、これを持って通話すると、かなり違和感がある。「イヤホンマイクを使うことが多くなるのではないか」(NEC)
e808の画面。形状はPDAだが、アプリケーションは特にPDA向けではなく、普通の携帯電話向けのソフトウェアだ
「n31i」にそっくりなWAP端末「e525」
最新の欧州向けiモード端末「n31i」(3月12日の記事参照)にそっくりなWAP端末「e525」も展示されている。背面液晶付きの折りたたみ型で、10万画素カメラを内蔵。着信メロディは40和音──とスペックもn31iにそっくりだが、Javaには非対応。ブラウザもWAP対応のみとなる。発売は2003年夏を予定している。
「n31i」にそっくりのWAP端末「e525」
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[斎藤健二, ITmedia]
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